第二回配本・エジプシャンタロット

六か国語表記のスカラべオ社製エジプシャン・タロット

こちらは画期的です。英語が当たり前!という発想からビギナーさんこそ、抜け出しておきましょう。

画像はもちろんのこと、インターネット・タロット美樹館でご覧いただけます。

ナディア・オフィスでは2015年頃に刊行したウェイト・タロット専用解説書にこの国別・タロットのタイトル一覧表を掲載しておりました。その表をPDFにしたものがあるので、またの機会にアップします。よろしければご利用ください。

 

1800年代後記のオカルト・ブームの波に乗って

スカラベオ社がエジプシャン・タロットを作成するにあたって、まず参考にしたのが解説書にも掲載されているJean-Baptiste Pitois(ジーン・バプティスト・ピトワ)の『The Mysteries of the Pyramids, being the Book II in The History and Practice of Magic』(ピラミッドの神秘)に掲載されている彼のオリジナルタロットの画像です。

非常に詩的な心引かれるアルカナについての文書が、タロットの付属英文解説書にも引用されています。

The Major Arcana

Where all human experience, both material and spiritual, is condesed in to a single formula; to Dare, to Know, to Want, to Hold Silence.

J.B. Pitois

すべて人間の経験というものは、物質性と精神性の双方がひとつの単体に凝縮されるところだと言えよう。冒険し、知り、求め、内に秘めよ。

という感じでしょうか。。

ジーンB.P.のタロットの画像は下記でご確認いただけます。

http://green-door.narod.ru/pctarot.html

ただし、現存するジーンBPのテキストも版によって差異があるらしく、掲載されている画像、テキストがすべて『The Mysteries of the Pyramids, being the Book II in The History and Practice of Magic』からのものではないとのこと。どちらかと言えばこれはもうジーンBPから20年後に出されたパピュのタロットに酷似していると言えるでしょう。

フランスのオカルト界の第一人者エリファス・レヴィ(1810~1875)の研究者でもあり、そして Paul Christian/ポール・クリスチャン(1811~1877)の名のほうが有名かもしれない彼の画像が掲載されている英文サイトはツイートしておきました。こちらにも掲載のご許可をいただきましょうね。

極めて重要な事柄は、『The Mysteries of the Pyramids, being the Book II in The History and Practice of Magic』には「タロット/Tarot」ということばが一切登場しないということ。

代わりに「アルカナ/Arcana」すなわち「神秘の札」という表現が用いられている・・・つまり、このポール・クリスチャンこそがアルカナを命名した、名付け親であろうと米国研究家は指摘しております。

そしてポールは、マルセイユ・タロットがそうであるように、タロットとは人間の人生の旅の象徴絵図なのだろうということを訴えかけています。

 

引き続き託されているタロット-魔術-オカルト研究

お届けしております2023年リニューアル版エジプシャン・タロット日本語解説に掲載されているのとはまた別の下記「死者の書」NY・メトロポリタン美術館蔵・パブリックドメインでございます。

The Singer of Amun Nany’s Funerary Papyrus, ca. 1050 B.C.
Egyptian; Thebes, Deir el-Bahri, Third Intermediate Period
Papyrus, paint; l. 521.5 cm (206 5/16 in); h. 35 cm (13 3/4 in)
The Metropolitan Museum of Art, New York, Rogers Fund, 1930 (30.3.31)
http://www.metmuseum.org/Collections/search-the-collections/548344

http://www.metmuseum.org/Collections/search-the-collections/548344

※こちらには、天秤の登頂にヒヒの姿をしたトート神が見られます。

色が褪せているようですが、こちら以外の死者の書関連のメトロポリタン美術館の画像を観るにつけ、「緑」が一番残っている色だという傾向にも気になるところです。。

とまあ「色」のことはさておき、この古代エジプト思想と魔術・オカルト研究抜きにして、タロットは語ることができないという節もあるでしょう。

ぜひ、切磋琢磨してまいりませんか!

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